研究結果からは、このようにはっきりと言えましょう。赤い種衣にはポリフェノールが、なかでもとりわけ、その鮮やかな色を出しているアントシアニンとフラボノイドが豊富です。その含有量は明らかに、赤ワインや濃い色のグレープジュースよりも高いのです。
ポリフェノールには、その化学構造により、抗酸化作用があります。フリーラジカルを捕捉して中和し、攻撃的に働く代謝産物のダメージ(酸化)から細胞と組織を守ります。
血管壁と血液中の脂質であるLDLコレステロールも保護します。それらが酸化した結果生じる炎症プロセスこそが、動脈硬化の主要な原因なのです。ザクロエキスには、心臓循環系疾患や慢性の炎症プロセスに対する予防効果が認められています。血圧を下げる作用も知られています。
ザクロの栄養素には、筋肉、心臓、神経に十分な量のカリウム、骨にはカルシウム、造血のための鉄、神経機能、ホルモン産生、消化など多数の代謝プロセスに重要なビタミンB群が含まれます。さらに新陳代謝を促進しますので、細胞保護作用が完璧にサポートされます。これにより、負担がかかった血管や心筋の助けになるだけではありません。ザクロ抽出エキスは、スキンケアやアンチエイジングの製品に好んで使われます。というのも、シワを減らし、肌のキメを良くするからです。貴重な種子オイルも用いられています。この特別な果実が5,000年以上の歴史を経ていても、何の不思議もありません。ギリシャ神話でザクロは「神々の食べ物」として権威と徳を象徴し、愛、豊穣、若さと美を表しています。
ザクロの圧搾エキスはレホルムハウスでも販売されています。伝統的に、ザクロの種子や外果皮、蕾は更年期用のお茶として、樹皮は煎じて駆虫に用いられてきました。今日では、ザクロに植物性ホルモンが豊富に含まれることや、樹皮には寄生虫を麻痺させて殺す毒性のあるアルカロイドが含まれることも分かっています。
「ケルンゲズント」(芯から元気/きわめて健康)2018