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代替医療と伝統医学 自然療法専門誌「自然療法ジャーナル」より掲載(ドイツの情報誌)

肝臓について

肝臓病の患者が増加しています。肝臓は、重要な解毒機能を担う臓器で、環境汚染物質や産業有害物、重金属や食品に残留する化学物質など、様々な有害物質に常にさらされています。さらに、農薬や殺虫剤、洗剤や溶剤、カラーや塗料には、多数の有害な合成有機化合物が含まれており、肝臓に絶えず負担がかかっています。なぜなら、必ず肝臓を通るからです。この現状を前にしますと、ドイツだけでも7~8百万の人々が、慢性の肝障害に苦しんでいることも不思議ではありません。

 

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、病気にかかっても症状がでにくく、症状が現れた時には、病状はすでに進行しています。肝臓の症状で最も多いのは、脂肪肝です。その大きな原因は、依然として、アルコールの過飲やたくさんの薬剤です。私の30年にわたる診療経験の中で、シェーネンベルガー社の西洋タンポポエキスやアーティチョークエキスのようなハーブエキスが、肝臓を守り再生させる効果があることを、何度も観察してきました。


 

肝臓の解剖学

赤茶色をした肝臓は、ギリシャ語でヘパと言います。重さが1.5kgあり、体内で最大の臓器です。非常に多くの、生命活動に欠かせない重要な働きがあり、体の解毒や代謝を行う工場、あるいは、体の中央研究所と呼べましょう。肝臓という臓器は、驚くべきことに、再生する能力が非常に強く、それが高齢でも維持されています。肝臓を体の側から見ると、大きいほうの右葉と小さいほうの左葉があり、鎌形の靭帯である肝鎌状間膜で分かれ、横隔膜の肝無漿膜野に連結しています。肝臓に隣接する臓器には次のものがあります。

  • 横隔膜
  • 胆嚢、胃、十二指腸、右結腸曲、右側の腎臓
  • 大動脈、大静脈
  • 膵臓

※誰も肝臓のダメージを免れることはできません。
※肝臓の構造に変化がなければ、老人でも再生できます。

 

肝臓の下面には、方形葉と尾状葉という小さい2つの葉があります。その隙間に窪みがあり肝門と呼ばれています。肝門から門脈と肝動脈が血液を送り込み、他方で大きな胆管(肝管)がここから出ています。まとめますと、肝臓には血液が流れ込み、胆汁が流れ出ます。

微小解剖学

肝臓の組織は、六角形の形をした多数の肝小葉でできています。肝小葉の角には、小葉間静脈、小葉間動脈、小葉間胆管が流れています。このグリソン鞘(肝三つ組)とも呼ばれる供給システムで、それぞれ3つの肝小葉に門脈血と酸素豊富な動脈血が運ばれる一方で、それぞれ3つの肝小葉から微量の毛細管胆汁が分泌されます。肝毛細血管は、肝小葉の角から中心に向かって放射状に広がり、それぞれ中心静脈につながります。肝毛細血管は、幾つかの点で、通常の毛細血管と区別されます。肝毛細血管では、肝動脈の動脈血と、門脈からの栄養素や老廃物を含む血液が流れます。さらに肝毛細血管は太いので類洞とも呼ばれ、その壁は肝細胞に直接接するのではなく、僅かに腔があり、いわゆるディッセ腔により隔てられています。

※1分間に肝臓を1.5リットルの血液が流れますが、それは静脈血と動脈血の混合血です。


 

どうすれば肝臓や胆嚢の病気が分かりますか?

自然療法の治療師は、肝臓や胆嚢の疾病を診断する時、詳しい病歴の他に、虹彩診断や検査、触診を基本的な診察方法とします。

検査では、顔や首、胸に現れやすいクモ状血管腫、手のひらの手掌紅斑、腹水によるお腹のふくれ、発毛の異常、男性では女性化乳房があるかどうか注意します。

目の強膜、狭義では内眼角を観察すると、黄疸の最初の兆候が分かります。肝機能障害の患者は、しばしば下唇のふちが肥大しています。肝臓・胆嚢の病気では、口腔検査で上顎が黄色く柔らかであることが多々あります。また、顔の皮膚に脂肪沈着、いわゆる黄色腫が見られ、肝臓胆嚢系疾病のサインとなります。

肝臓・胆道の病気にかかった患者の典型的な症状は、特に食後に、右上腹部に現れます。肋骨弓の下に継続的な、鈍い痛みを訴えます。肝臓と胆嚢の疾病の特徴として、吐き気と嘔吐を頻繁に伴います。これらの患者の虹彩診断では、丸い濁った灰黄色の色素沈着などが見られます。

肝臓の主なはたらき

  • 解毒機能:アルコールや薬品のような異物、アンモニア、ホルモン分解物のような体内生成物に対処し、生命維持に関わる重要性がある。
  • 代謝機能:タンパク質、脂質、炭水化物の代謝を行い、重要な中心的役割を果たす。
  • 貯蔵機能:鉄やビタミン、さらにグルコースをグリコーゲンの形で貯蔵する。
  • 合成機能:血清タンパク、アルブミン、グロブリン、凝固因子を合成する。
  • 造血・分泌機能:胎児期に、肝臓が良いものを吸収し、悪いものを排泄する。
  • 胆汁生成:脂質消化の基本成分である。

※ルドルフ・シュタイナーからの引用:肝臓(レーバー)はそもそも「命の元」(ベレーバー)と呼ぶべきでしょう。肝臓がなければ生きられないのですから。


脂肪肝

脂肪肝は、とにかく肝臓で最も多い病気であり、疫学的に見て重要です。専門家によれば、ドイツでは4人に1人が脂肪肝です。炎症性の肝臓病は、間葉にも肝実質にも進行しますが、脂肪肝ではまず肝実質だけで、細胞間に脂肪が蓄積し、肝細胞が脂肪で変化します。この肝実質に生じる疾病は、有害因子が継続すると脂肪肝炎になり、さらに肝硬変に進展することがあります。

<原因>

最も多い原因のひとつは、依然として慢性的なアルコールの過飲によるものです。アルコールの他に、栄養過多、糖尿病、脂質代謝障害、さらに、肝毒性を持つ薬品のような産業・環境汚染物質が、脂肪肝の原因です。

<症状>

ほとんどの患者にはこれといった自覚症状がなく、偶然、脂肪肝と診断されることがほとんどです。その他のケースでは、右上腹部に圧迫感を訴える患者があり、触診では肝臓が肥大し硬くなっています。脂肪肝のその他の症状として、吐き気、鼓腸、食欲不振、体力減退、気力喪失、疲労です。というのも、疲労は肝臓の痛みであり、臓器は黙って苦しんでいます。

<予防と治療>

大切なのは、病因となるダメージを排除することです。つまり、糖尿病のような代謝不全の治療であり、肝毒性を持つ薬品を含め、エタノールのような外因性有害物質をできるだけ断つことです。これがうまくいけば、予後は順調です。これで、たいていの脂肪肝は解消するからです。

さらに、患者に食習慣の見直しをさせることが重要で、特に炭水化物(精白小麦粉、白砂糖)を制限し、全粒粉の製品を勧めます。また、シェーネンベルガー社が提供する西洋タンポポやアーティチョークのようなハーブエキスは、肝臓の保護と再生に根本的に役立つのであり、肝臓が自らの力で再生するのをサポートします。


肝機能のまとめ

解毒機能

食作用
腎臓を通して排泄(水溶性物質、尿素など)
胆嚢を通して排泄(脂溶性物質)

 

胆汁生成

0.5~1.0リットル胆汁/日:水、ミネラル成分、胆汁酸→脂肪を乳化し、腸で脂肪を吸収(ミセル形成)
胆汁色素
コレステロール、レシチン、脂肪酸
様々な脂溶性物質

 

代謝機能

炭水化物:グリコーゲンの形成と分解
タンパク質:アミノ酸、アンモニア→尿素の形成と分解
中性脂肪→貯蔵
コレステロール→ビタミンD、胆汁酸の産生

血液と循環のための機能

血液の貯蔵
血液分解(クッパー細胞による赤血球の食作用)
ヘモグロビンの分解、ビリルビン
血液凝固因子の産生
出生前の造血器

西洋タンポポの効果・効能

<内容成分>

苦味成分、ビタミン、ミネラル成分、フラボノイド、トリテルペン、粘液成分、カリウムをかなりの量で、特に地上部に含みます。

<効果>

西洋タンポポは典型的な抗悪液質な植物です。体液病理学の体液理論によれば、西洋タンポポは、悪液質を良液質に変えることができます。
西洋タンポポは食欲増進、消化促進、代謝活性、胆汁分泌促進、利尿作用があり、肝臓保護作用があります。苦味成分は肝臓病患者に典型的な、肝臓機能の低下による疲労も緩和します。というのも疲労は肝臓の痛みです。

<適応>

食欲不振、消化不良、胆汁分泌と流れの不全、利尿促進、膨満感、鼓腸、肝臓の症状
体液病理学的視点では、タンポポ属には利尿と穏やかな緩下作用がありますので、リューマチの症状、特に関節炎と軟部リューマチに適しています。

 

アーティチョークの効果・効能

<内容成分>

アーティチョークの内容成分は以下の通りです

  • フラボノイド
  • 苦味成分
  • シナリン
  • シナロピクリン

 

<効果>

アーティチョークの内容成分は、食欲増進、消化促進、胆汁分泌促進、肝細胞再生、外因性・内因性の膵臓機能を促進する作用があります。さらに、アーティチョークは高いコレステロールやトリグリセリド値を下げることで、脂質の代謝に影響します。動物実験では、肝臓の部分切除後にアーティチョークも使用すると、肝臓がもとの大きさに再生する際に促進効果が観察されました。

 

<適応>

アーティチョークの適応は次の通りです

  • 食欲不振
  • 消化不全
  • 肝臓と胆嚢の症状
  • 肝臓再生
  • 高脂血症
  • 動脈硬化予防

    まとめ

    最初に申し上げましたが、肝臓の病気はますます増加傾向にあります。ですから、前述したようなケースで、肝臓保護や再生の治療を行うことが必要と思われます。このような症例報告でも分かるように、肝臓病の患者は、西洋タンポポやアーティチョークのようなハーブエキスに大変良い反応を示します。これは、自然療法の治療師にとって、ひとつの挑戦でしょう。というのも、肝臓の病気は、西洋医学では、依然としてニヒリスムで対処され、「医者は助け、自然が治す」からはほど遠いからです。

    著者 ペーター・シュヴァルツ
    1983年から、ヴァイル・アム・ラインに自然療法治療院を開業しています。治療の重点は、従来の自然療法の治療法の他に、科学的に根拠のある植物療法です。若手を育成するために自然療法研究所を設立し、ドイツやスイスの様々な自然療法機関で講師を務めます。解剖学、生理学、病理学、植物療法のテーマで、研究報告や文献の執筆者として発言しています。2000年から、スイス自然療法医協会の名誉会員です。

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